「防犯カメラ」といったら現在でいう屋外タイプのカメラのようなイメージが私の中にはあります。
いわゆる「固定式監視カメラ」というものですが、子供の頃にまだ一般的に普及していなかったカメラは私にとって特別でした。記憶があやふやなので自信はありませんが、当時の世間は防犯のためにコンビニへの導入が力を注いでいた気がします。なので子供の私はお菓子を買う度に「ここにはカメラがあるんだ」とふと思い浮かべていたものです。
しかしそれも今は昔、わざわざコンビニに行かなくとも近くにあります。そう、職場のオフィスに。
本社で一括管理できるみたい
正直言って天井にあるドーム型のカメラを見た時の感想は「偽物かな」でした。
よく予算がないけど防犯や社員の様子を記録するためにカメラとしての機能はないけど見た目だけはそっくりなオブジェクトを設置するという話があるので、私が働いているオフィスにつけられたカメラもそうじゃないかと考えたのです。
ところがオフィスにも慣れ、私の趣味であるグルメスポット巡りも周囲が受け入れられた頃に定食屋へ昼食に誘った先輩から「あのカメラ、本物だよ」という衝撃の事実を聞かされました。
何でもネットワークカメラというものを採用しているらしく、遠隔での操作はもちろん、本社で記録データを一括管理できるそうです。それだけではなく威嚇用のカメラもあるとか。
それまでカメラの知識はありませんでしたが、先輩のおかげで詳細が分かった私は少しだけ頭が良くなりました。えっへん。
夜間や休日の監視体制を強化することができるため、最近では上記のようなスペースに防犯カメラを設置する企業も増えています。
設置することで、防犯対策だけでなく来客状況の確認の他、従業員の業務態度改善やマナー向上の効果もあるようです。
工事もすぐ終わりました
防犯カメラの知識はそこまででしたが、その後も縁がありました。
それはずばり工事です。工事というよりもメンテナンスといったほうが正しいかもしれません。設置後は設営角度やカメラの機能性をチェックしなければならないそうです。
それを耳にした時、私の胸には不快感と諦観がありました。
実は工事が行われるその日、私は行きたい店があったのです。しかし工事が行われるという事は仕事が遅れるかもしれないイコール残業、つまり店には行けないという未来図が脳裏に浮かびました。食べ歩きと外食をモットーにしている身の上としては何としても避けたい事態ですが、仕事は仕事。「公私混同はいけない」と自分を戒め、その日を迎えました。
しかし実際のところ工事は仕事の邪魔にはならず、それどころかすぐに終わりました。
「あれ、工事の人はいつ出ていったんだ」と驚いたほどです。おかげで仕事帰りは予定通りになりましたが、今振り返ると子供じみた思考で恥ずかしさが沸いてきます。